先日、友人に誘われ、ジブリ映画「かぐや姫の物語」を観てきました。
急に誘われ、内容を調べる事もなく観たのですが、思いがけずとても感動
しました。
この映画は音楽も素晴らしく、今も耳に残っています。
「まわれ、水車まわれ」と始まるわらべ唄は、「鳥、虫、けもの、草、
木、花~」と続き、全ての生き物への賛歌で、自然の変化性や普遍性を説
いているようでしたし、月から使者がやってくる時の音楽は何とも言えな
い楽しげなメロディー。最後のエンディングで流れる主題歌は希望に満ち
た感動的なものでした。
ストーリーは高畑監督が付け足したエピソードもありましたが、子供の頃
に読んだお話「かぐや姫」にほぼ忠実。ただ私がイメージしていたかぐや
姫はおしとやかで物静かでしたが、映画のかぐや姫は感情豊かでとてもリ
アルでした。
竹取のお爺さんとお婆さん達に愛され、自然の中で生き生きと育つかぐや
姫。しかし、ある時お爺さんは、美しく成長した姫を高貴な姫として育
て、身分の高い人に嫁がせるのがかぐや姫の幸せだと思うようになりま
す。お爺さんの期待に応えたいと思いつつ、偽りの気持ちに悩む姫。
私自身も子供の頃、「あなたの為だから」と親に想いを押し付けられ育っ
たので、期待に応えたいと思いながら傷ついた過去を思い出し、いつの間
に姫に共感していました。
公達や帝の申し出を断り、月に帰る事になった姫。(何故、月に帰る事に
なったのかは映画でご確認くださいね。)その時姫は気づくのです。この
地に生きるために生まれてきたのだと。「生きている手応えがあれば幸せ
になれたのに」と叫んだ時、私も感情がこみ上げ涙が溢れてきました。
幸せとは?本当の自分とは?生きる事を実感するとはどういう事なのか。
本当の気持ちに気づいた時には、思い煩う事のない月の世界へ帰る時が
迫ってきているせつなさ。
エンディング。「今のすべては過去のすべて、今のすべては未来の希望」
という歌詞が、今がすべてなんだよ、というかぐや姫からのメッセージの
ようで胸に迫りました。私も友人達も涙、涙でした。
誰もが知っているかぐや姫のお話に、こんな深いメッセージを込めるなん
て・・・。
興味がある方は終わる前にぜひご覧になってみてください。