日々の喜び

昨年の秋、オーブンレンジを購入しました。

実は我が家のレンジは結婚した時に購入したターンテーブルが回るタイプの年代物。温めムラが気になりつつも壊れたわけでもないし、愛着もあり中々買い換えられずにいました。コロナ禍でおうち時間も増え、お料理する頻度も増えた事でやっと買い替えの決心が出来たのは昨年の夏頃。それから色々リサーチし、数か月後やっと購入しました。

その結果、とにかく快適になりました。なにしろお料理が楽しい。久しぶりにお菓子作りにも挑戦し、こんな事ならもっと早く買えばよかったと思ったものです。その後つられるようにトースターも買い替え、今月は鉄板プレートも新しくしました。

調理家電はけっこう長持ちします。思えば前の電子レンジも20年以上も使用したのですから、もしかしたら今回のレンジが自分史上最後のレンジになるかも、と感慨深くもなります。義母は認知症になり、家電が全く使えなくなりました。最初はアイロン、それから掃除機。毎日使っていた電子レンジもトースターも操作が出来なくなり、私がやり方を説明するとその都度、便利になったと喜んだり、使い方がわからず不機嫌になったり。今は施設で全てスタッフさんがお世話をしてくださり、穏やかに生活しています。私も高齢になり、複雑になったレンジの操作がわからず、日々の生活から卒業するのかしらと思うと、なおさら日常の細々が大切に思えたりします。

自粛生活も長引き、外に向いていた気持ちから解放され、アリスのうさぎのように「なんでもない日バンザイ!」という気分です。レンジを買い換えただけでこんな気持ちになるなんて、おかしくもありますが、なんでもない日のすべてが私の時間。日々の小さな喜びを見つけていきたいです。