またね、という言葉

先日「サバカン」という映画を観ました。wowowで草彅剛さんの特集をやっており、草彅剛さん好きの友人のために録画をしたのですが、とても良い映画で引き込まれてしまいました。

草彅剛さん演じるスランプに陥った作家がふと目にした鯖缶に導かれるように子供のころの夏休みの思い出を本にしていく。映画では五年生の夏休みのエピソードが描かれています。主人公の少年は夏休みのある日、同級生から無人島にイルカを見に行こうと誘われます。同級生はクラスでは浮いており仲間外れにあっている少年です。親しくないのに何故自分が誘われたのかと訝しく思いつつ様々な出来事を通して二人の少年が絆を深め、友達になっていくというストーリーです。

長崎の海の美しさ。田舎育ちの私はタイムトリップしたかのように自然を感じました。80年代の日本はこんな感じだっけ、と懐かしく、主人公の少年の両親の会話に笑ったり。

特に私が心に残った場面は仲良くなった少年同士が、帰宅し家の前で何度も「またね」を繰り返すところです。お互いに何度も振り返りながら手を振り「またね」「またね」と。

私の心に浮かんでいたのは昨年の夏、病気で急逝した友人の事です。コロナ禍で会わなくても電話で長話をしました。電話の最後はいつも「じゃまたね」「落ち着いたら会おうね」でした。またねが来ない事がある事を知ってしまった今、少年達の未来への約束が尊く、それだけで涙が出そうでした。

お話はその後悲しい出来事があり、少年達を巻き込んでいきますが、ネタバレになるのでこの辺で。ちなみにタイトルのサバカンはお寿司が食べたいと言った主人公の少年のために同級生がサバカンの寿司を握ってくれたというエピソードからきています。

「またね」と言える幸せ。そしてその時がやってくる喜び。映画に流れるノスタルジックな時間の中で私が感じたのは未来の時間を大切にしたいということでした。今をしっかり生きていこうと思いました。