生と死

この秋は二つの悲しい別れがありました。義父と実父が相次いで亡くなっ
てしまいました。

義父は本当に元気で7月には鰻を食べに行く相談をしていた矢先、夜のト
イレ時に転んで骨折してしまいました。入院し、手術を終え、元気になる
ばかりと思っていましたが、ショックやストレスなどあったようで退院し
て間もなく体調を崩し、亡くなりました。ボケることもなく自分の足で歩
き、義母や家族を大事にしたあっぱれな人生だったと思います。97歳の大
往生でした。

その一か月後、今度は実父が逝きました。父の場合は亡くなる前の朝方、
夢を見ました。父は長い間、腎臓を患っていましたが、夢の中の父は元気
で内容までは覚えていないのですが、真面目な話をした記憶があります。
起きた時、もしかしたらと思っていたらその通りになってしまいました。
父は長年の透析で体はぼろぼろでしたが、残した家族が悲しむからと頑
張って生き抜いた人生でした。頭は最後までしっかりしており、電話で色
んな話をした事が今でも懐かしく思い出されます。
亡くなった後は書類などの手続き、法事など慌ただしく、追われる日々で
した。死亡した後の続きの多い事。日本は亡くなった後に誰かが手続きを
することを前提に成り立っている社会だと思い知りました。税金、銀行、
年金など認知症の義母が手続きできるわけもなく、自分たちが老いた時の
事を考えながらの作業でした。私も若くないのだからなるべくシンプルに
身軽に生きていきたいと感じています。

二人の父が亡くなってまだまだ悲しい気持ちがありますが、見せてくれた
生き様、教えてくれた優しさや愛情を忘れず、死をどこかで意識しながら
精一杯生きていきたいと思っています。