初めてのお伊勢参り

出雲大社のお膝元で育った私にとって神話は身近なお話でした。地元にはお神楽があり八岐のオロチの伝説は誰もが知るところであったし、出雲生まれの祖父の影響で幾度となく出雲大社にはお参りしたものでした。

出雲大社は大国主命が祀られていますが、八岐のオロチを倒した須佐之男命もひっそりと祀られています。裏手の八雲山のふもとの小さな祠が好きで独身の頃はよくお参りしました。結婚して移った関東の氷川神社は須佐之男命が祀られていると知りご縁に驚きました。

ところが姉君であられる天照大神のお祀りしてある伊勢神宮には一度もお参りしたことがなく、今回友人が誘ってくれたので初めて伊勢神宮にお参りしてきました。

伊勢神宮には外宮、内宮、別宮と沢山の神社があります。最初にお参りした外宮では新嘗祭の儀式が行われており、今年祭主に就任された黒田清子様をお見かけしました。雨上がりの外宮はとても清々しい空気が漂っていました。
それから別宮の月読神社をはじめ、二見興玉神社、猿田彦神社、内宮などお参りしましたが、倭姫ゆかりの伊雑宮と倭姫宮が心に残っています。

また伊勢に行くことがあれば、金井先生が神秘体験をされたという水晶を見てみたいとずっと思っていました。事前に先生に伺ったのですが、内宮近くの博物館という事しか情報がなく、出会えるかしらと思っていましたが、私の好きな倭姫宮そばの博物館にその水晶はありました。後で調べましたら倭姫ゆかりの宝物のようでした。連休で混雑していた伊勢でしたが、博物館はひっそりしており、私も先生と同じように瞑想してみました。残念ながら神秘体験はありませんでしたが、暖かな光を放つ水晶を思い出す度に心が熱くなります。

また、今回伊勢神宮にお参りして、出雲と伊勢では神社の造りが全く違うという事に驚きました。出雲は大きな注連縄が有名で大社造りといいますが、伊勢の神明造りはひっそりと地味で、茅葺き屋根も光る千木も珍しく感じました。

今回初めて伊勢にお参りしましたが、今も昔も大勢の人々の参拝で溢れ、信仰されている伊勢のパワーを感じました。また若い人々が当たり前のように作法に従いお参りする姿に日本の姿を見たような気もしました。

来年から伊勢神宮は20年ごとの遷宮が予定されているそうです。
私の故郷の出雲大社も60年ごとの遷宮の最中で、来年5月には新たな神殿が完成するそうです。
近年、大きな柱が発掘され、古代の出雲大社は48mの高い場所にあったことがわかっています。

出雲と伊勢にはどんな歴史があったのでしょうか。子供の頃、祖父から神話を聞いた頃を再び思い出しています。
伊勢に行った事で、遷宮後の出雲大社にもお参りしたくなりました。